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アメリカで働く医師から見た日本とアメリカの医師の違いとは?


皆さん、医師はどの国でも同じだと思っていませんか? 実は医師こそ、その国の特色が出ていると言っても過言ではありません。

ここでは、日本とアメリカの医師の役割、基本的な考え方など、日本とアメリカの違いを、アメリカで働く医師から見た視点で紹介していきます。

アメリカの医師の役割について



アメリカの医師は医学のエキスパートではありますが、その医療チームのリーダーではありません。


アメリカの病院の中でのリーダーは患者さんであり、医療チームは個人個人の患者さんを中心に成り立っています。


アメリカも日本と同様に、病院からクリニックまであり、それぞれシステムが異なっています。ですので、日本と同じシステムのところもあれば、日本とは全く異なったシステムのところもあります。


その中で、今回は特に日本と違う点について、いくつか紹介します。


患者に対する医学のエキスパート


アメリカも日本も医学のエキスパートという点では変わりはありませんが、医師の役割という部分では違いがあります。


日本の場合、医師は医療チームの中のリーダー的役割を担うのが主流であり、医師がトップに立ちその周りに医療チームができてそれぞれのサポートをするという形が一般的です。


しかし、アメリカでは例外もありますが個人主義の国だけあり、「○○先生のチーム」という考え方はしません。医師は、「シフトの時間内においてプロフェッショナルな仕事をする」または「○○(患者さん)の病気の治療を行う担当者」という認識の方が主流です。


もちろん先輩医師や上司は存在しますが、それはレジデンシー(研修医と同じ)の医師たちや同僚、または立場的な上司です。


仕事の役割は個人が負担するため、仕事は医療チームとではなく、患者さんとの連携プレーになります。


日本よりも分業制度が発達している


最近では日本でも分業制の病院が増えてきており、夜勤専門の医師、救急専門の医師など細分化されてきました。しかし、アメリカは日本よりもさらに細分化されています。


小さい病院などでは入院患者、外来患者なども時間を変えて同じ医師が診察しますが、一般的な病院では、外来専門の医師、夜勤専門のそれぞれの部門の医師(外科、内科、小児科、産婦人科など)、救急専門の医師というように分かれています。


そのため、完全な夜型であり朝は起きれないというある医師は、夜勤専門の医師として毎日夜11時から仕事を始め、翌朝の7時に勤務を終えるという生活を10年以上もしています。


医師は患者の意思を最大限に尊重するサポート役



日本でも徐々に「患者さんの意思を尊重する」という考えが出てきていますが、アメリカでは完全に患者さん主導の治療スタイルや診察スタイルです。


例えば、 患者さんA:50代後半、意識あり、Stage4(末期がん)


Aさんは告知されてから一切の治療は行わないようにという文章を医師に提出しています。しかし、娘さんはそれに反対しており医師に治療をしてくれと頼んでいます。


その後、Aさんの意識が無くなり昏睡状態になってしまいました。娘さんはAさんの痛がる姿を見て辛くなり、医師に治療をしてくれと懇願しています。

このケースはアメリカで実際によくあるケースです。医師はこのような場合、痛みがありAさんの意識が無くても意識があった時に交わしたAさんとの文書に従わなくてはいけません。ですので、最低限の治療を行い、Aさんの意思を尊重します。

このように、アメリカでは患者さんが医療の主体です。医師は患者さんの保険やお金、与えられている環境(外国籍、または身寄りがないなど)を分析し、患者さんと話し合いながら治療を進めていきます。


ですので、日本のように「○○医師に怒られて決断したけど、今では○○医師の判断に感謝している」という事は絶対に起こりません。

アメリカの医師はコミュニケーション・体力・ユーモアのエキスパート


次に、アメリカの医師の典型的な性格を紹介しましょう。私は、北米以外にも南米、カリブ海なども見てきましたが、アメリカ出身やアメリカ人の医師はどの地域でも同じような人ばかりでした。


とにかくコミュニケーション能力が高い!


アメリカの医師というのは、小さい時から人前に立ち自分をアピールするプレゼンする能力が高い人がなります。また医師国家試験2次試験(USMLE STEP2)でも患者さんに不快感を与えないという部分が採点に考慮されますので、とにかく話すことが大好きという人が多いです。


日本でいうと、明石家さんまさんのような人は、アメリカの医師でも十分通用するのではないでしょうか。ですので、医師たちが集まるようなレセプションではとにかく話が終わらず、延々と話している医師も多いです。



体力自慢が多い




若い医師の日課と言っても過言でないのが、筋力トレーニングです。


独身の医師などは夜勤明けでそのままジムに行き、汗を流してから寝るという人も多いです。女性の医師は家庭を持っている人が多いので、そのまま帰宅する人も多いですが、夜勤明けでショッピングに行き、子どものお弁当まで作ってから寝るという人もかなりいます。


ユーモア(ジョーク)が好きでないと医師の間では評価されない


もちろん寡黙な医師もいますが、そのような医師も例外なくユーモアの腕はいつも磨いています。医療チームとの会話にユーモアを挟むのはもちろんですが、医師同士のコンサルなどでも必ずジョークを言い合い、笑って終わるというのが常識です。


その背景には「プロフェッショナル同士はお互いに認め合い、険悪な雰囲気にしない」という概念が根底にあります。ですので、「Dr.○○のジョークは凄い!いつも圧巻するね!」と褒められるのはアメリカでは出世の第一歩です。


日本の医師は海外で通用しないのか?



最近ではフェローシップなど、海外で研修を行う医師の方も多くなっています。

もしかすると、この記事を読んで「自分は海外向いていないかも」と心配になった人もいるかもしれません。


実際に日本の医師は海外で通用するのでしょうか。また海外で通用するにはどのようにしたらいいのでしょうか。


日本の医師は意外と可愛らしく見えるため、通用する場合が多い


意外に思うかもしれないですが、日本人特有の「場の雰囲気を読んで作り笑いをする」は医師の世界では大変役に立ちます。「会話に入ろうと努力している」という姿勢がとても評価されるようです。


また私たちの「照れた笑い」は何故か「弟や妹」を思い出させるようで、気に入られる場合が多いです。特に男性医師の「ふふふっ」というような笑顔を恥ずかしがらずに表現すると、同僚などや初対面の人でも打ち解けてくれるようになります。

自分の意見は正しいと思ったら冷静に伝える

日本の医師の方は優秀なことで有名です。ですので、アメリカの負けず嫌いの医師によっては絡んできたり、意見を求められることが多いです。その時には、真面目に自分の意見をしっかりと伝えることが大切です。


「文法が分からない」や「言葉が分からない」などはあまり関係なく、自分の知っている限りの言葉や図などを駆使して相手に伝えようと思うことが大切です。アメリカの教育では相手の意見を聞くという事もプロフェッショナルの役割に入っています。ですので、あなたの意見を言葉の拙さ関係なく真摯に何回も伝えてみましょう。



堂々とした態度で自信を持って!(持っているフリで)


これはアメリカに限ったことではないですが、医師はプロフェショナルな職業です。ですので、謙遜という言葉や態度は逆に自分の能力を低く見られてしまいます。


*ただし、私たちは自信のある態度=横柄な態度と誤解してしまうことも多いです。冷静ですが、相手を思いやる態度と言動を心がけるのは忘れないようにしましょう。

また、意見の食い違いで相手が感情的になっても、できるだけ抑えて冷静に接しましょう。プロフェッショナルとは言いましたが、医師は感情的な人が多く、討論好きです。しかし感情的になると討論で負けてしまうので(言語の壁の分、こちらが不利です)、余裕のある態度で自分の意見を押し通しましょう。


自信が無くても自信があるフリをしてみてください。そうすると、ある時を境に相手が私たちをバカにせず、認めだす時が必ず来ます。

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